収益物件における相続人の決め方は?家賃の取り扱いや売却の注意点を解説!

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収益物件における相続人の決め方は?家賃の取り扱いや売却の注意点を解説!

不動産相続では、家賃収入がある物件を引き継ぐケースもあります。
そのようなときはどのように相続人を決めたら良いのか、お困りの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、収益物件を引き継いだときに知っておきたい相続人の決め方とともに、家賃の扱いや売却時の注意点について解説します。

収益物件における相続人の決め方とは

収益物件における相続人の決め方とは

収益物件を相続したら、まず誰が引き継ぐのか相続人を決定するのが一般的です。
家賃収入が発生する物件は、原則として遺言書の有無で相続人が変わります。
そのため、相続人を決定するときは、遺言書があるかどうか調べる必要があるでしょう。
ここでは、遺言書があるときとないときでは、相続人の決め方にどう違いが出るのか解説します。

相続人の決め方①:遺言書があるケース

収益物件に関して遺言書があるときは、その内容に従うのが原則です。
たとえば、遺言書に「不動産は長男に相続させる」と記載されているケースでは、長男が家賃収入を受け取れます。
相続人が決定されるまでの家賃収入についても、遺言書に記載されている人物が相続開始日以降に受け取るのが一般的です。
このように、収益物件の相続では、遺言書の有無が重要となります。

相続人の決め方②:遺言書がないケース

遺言書がないときは、遺産分割協議を相続人全員でおこなうのが原則です。
相続人が決定するまでの間は相続人全員の共有物となるため、その間に発生した家賃収入は法定相続分に従って分配されます。
相続人の決定以降はすべて相続人の取り分となりますが、相続順位によっては協議が長引いてしまうと、トータルして受け取れる家賃収入が少なくなってしまうので注意しましょう。
とくに第3順位の兄弟姉妹が相続人となったケースでは、他の相続人に家賃収入が多く入る可能性もあります。
相続人の決め方を巡って親族と揉め事が起こる恐れもあるので、慎重かつスピーディーに話し合うことが大切です。
なお、遺産分割協議書は収益物件の名義変更で必要になります。
遺産分割協議書自体に法律上の期限はありませんが、名義を変更するときに必要になるため、遺言書がないケースでは早めに作成をしておきましょう。

収益物件の家賃は相続財産となるのか

収益物件の家賃は相続財産となるのか

相続人の決め方で悩むのが「収益物件における家賃の取り扱い」です。
家賃が相続財産となるかどうかは、家賃を「相続開始前」「相続開始後」「遺産分割成立の前後」の3つに分けて考える必要があります。
それぞれのタイミングで家賃がどう扱われるのか、事前に確認しておきましょう。

相続開始前の家賃

結論から述べると、相続開始前の家賃は相続財産に含まれています。
相続開始前であれば、家賃収入は被相続人の口座などに振り込まれているはずです。
被相続人のものであると証明されているため、相続財産として扱われます。
相続人が複数いるケースでは、相続財産として遺産分割協議の対象です。
一般的な不動産相続と同様に、相続人全員で遺産配分の決め方を話し合います。
遺産分割協議をおこなうときは、法律や不動産など専門的な知識を知っておくと、スムーズに話し合いがまとまるでしょう。

相続開始後の家賃

収益物件でもっとも取り扱いに悩むのが、相続開始から遺産分割成立前までに発生した家賃です。
相続開始後に発生する家賃について以前から論争があるため、慎重に手続きを踏む必要があります。
これらの問題は2015年9月8日の最高裁判決で確定し、遺産分割協議が成立するまでの間に発生した収益物件の家賃は遺産分割とは別物であると判断されたのです。
このタイミングでの家賃収入は、各相続人が法定相続分の割合に応じて取得すると決められています。
つまり、複数の相続人がいるケースでは、遺産分割協議が成立するまでの間は共有状態であることを前提に取り分が決定されるのです。
また、収益物件からは家賃収入だけでなく、管理費や修繕費なども発生します。
それらの出費に関しても、法定相続分の割合に応じて相続する決まりとなっているので注意しましょう。

遺産分割成立前後の家賃

遺産分割成立前後の家賃は、相続財産には含まれません。
これは、相続人が遺産分割成立後の家賃を取得するためです。
管理費や修繕費なども相続人が負担するので、覚えておくと良いでしょう。
さらに、相続した収益物件で得た家賃収入は、毎年確定申告をおこなわなければなりません。
たとえ、共有名義であっても申告は各自で済ませる必要があります。
収益物件を複数の相続人が共有するケースでは、持分に応じた割合が各相続人の受け取る家賃収入です。

相続した収益物件を売却するときの注意点

相続した収益物件を売却するときの注意点

相続した収益物件に使い道がないときは、売却することをおすすめします。
不動産売却をおこなえば、まとまった資金が入るだけでなく、税金の支払いも回避可能です。
しかし、収益物件の売却にはいくつか注意点があります。
相続後の不動産売却で失敗しないように、売却のポイントを確認しておきましょう。

売却の注意点①:取得費加算の特例は要件・期限をチェックする

不動産売却をして譲渡所得が発生したときには、譲渡所得税を納めなければなりません。
譲渡所得は、不動産を売却して得た収入から取得費や譲渡費用を差し引いた金額です。
これらを計算してプラスの値が出たら、譲渡所得税が課税されます。
税金を安く抑えたいのであれば、相続税の取得費加算の特例を利用するのがおすすめです。
この特例では、相続後3年10か月以内に不動産売却をしたとき、相続税額の一部も取得費として加算できます。
その分、譲渡所得が少なくなるため、結果的に大幅な節税効果が見込めるのです。
ただ、制度を利用するためには、3つの条件があります。

●相続不動産である
●相続税の課税者である
●相続後3年10か月以内の売却


これらの条件をクリアしないと特例が利用できないので、早めに対応する必要があります。

売却の注意点②:収益物件を売るタイミングを確認する

相続後に不動産を売却するなら、売るタイミングには注意が必要です。
譲渡所得税の税率は物件の所有年数によって変わるため、ケースによっては税負担が重くなる可能性もあります。
物件の所有期間が5年を超えると「長期譲渡所得」となり、5年以下なら「短期譲渡所得」です。
長期譲渡所得の税率は、所得税15%・住民税5%の合計20%(2037年まで復興特別所得税込みで20.315%)が基本となります。
一方、短期譲渡所得の税率は、所得税30%・住民税9%の合計39%(2037年まで復興特別所得税込みで39.63%)です。
このように所有期間によって税率が倍近く変わるので、不動産売却時には物件の所有期間を確認する必要があります。

売却の注意点③:入居者がいるときは立ち退き勧告をおこなう

相続した収益物件に入居者がいるケースでは、売却の1年〜半年前までには立ち退き勧告をおこなう必要があります。
ただし、無理に立ち退かせると、トラブルに発展しかねないので注意が必要です。
そのため、立ち退き勧告は早めにおこなっておき、丁寧に擦り合わせをしていくことをおすすめします。
収益物件の売却前には、ゆとりを持って入居者と話し合い、円満退去を目指すことが重要です。

まとめ

収益物件の相続人は、遺言書があるかないかによって決め方が異なります。
相続開始前であれば家賃は相続財産となりますが、遺産分割成立の前後は含まれません。
使い道がない不動産は売却するのが有効となっており、そのときには特例の期限や売るタイミング・立ち退き勧告の時期などをしっかりと確認しておきましょう。