空き家の相続放棄とは?管理責任や空き家を手放す方法について解説

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空き家の相続放棄とは?管理責任や空き家を手放す方法について解説

近年の日本では、核家族化が進み、親と子どもが同居せずにマイホームを購入して住んでいるケースも珍しくありません。
その場合、相続が発生すると、親が住んでいた実家が空き家となってしまうこともよくあるため、相続放棄を検討する方も多くいます。
そこで今回は、空き家の相続放棄とはどういうことなのか、空き家の管理責任や、相続放棄をせずに空き家を手放す方法について解説します。
空き家の相続を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

空き家の相続放棄とは

空き家の相続放棄とは

まずは、相続放棄とはどういうことなのかといった基礎知識から解説します。

相続放棄とは

相続が発生すると、被相続人である親などが所有していた財産を、子どもが引き継ぐのが一般的です。
相続の対象は、現金や預貯金、不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や未払いの税金などマイナスの財産も含まれます。
相続放棄とは、そういった財産を相続する権利の一切を放棄することです。
つまり、相続放棄をすると、すべての財産を引き継ぐことができなくなります。
たとえば、親が住んでいた実家が空き家となり、将来使用する予定がないため、空き家のみ相続を放棄したいと考える方がいらっしゃいますが、それはできません。
現金や預貯金は相続したいけれど、空き家の相続は放棄したいといったように、財産を選んで相続放棄をすることは認められないのです。

相続放棄を選択するケース

相続放棄は、プラスの財産よりマイナスの財産のほうが多い場合に選択する方がほとんどです。
また、遺産相続争いに巻き込まれたくない方や、財産が少ない場合に手続きが面倒だという方も相続放棄を選択するケースが見られます。
ただし、一度相続放棄をすると、あとで撤回することができません。
たとえば、相続が発生したときにわからなかった預貯金があとで発覚したとしても、相続放棄をした方にそれを引き継ぐ権利はないのです。

相続放棄の手続き

相続放棄は、「相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」に申請しなければなりません。
申請場所は、被相続人の最後に住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所です。
先述のとおり、相続放棄をしたあとにプラスの財産が見つかり、その財産が借金などより多かったとしても、相続放棄を撤回することはできません。
したがって、被相続人が亡くなってから3か月以内に、すべての財産を確定したうえで、相続放棄をするかどうかを決断しなければならないのです。
ただし、期限までに決断できない場合は、家庭裁判所に申立てをおこなって期間を延長することは可能です。
また、相続放棄以外に、限定承認という選択肢もあります。
限定承認とは、プラスの財産を限度に借金などを支払うことを条件として相続手続きをすることです。
財産を確定できない場合や、手放したくない不動産がある場合などには、限定承認も検討してみると良いでしょう。

空き家の相続放棄をすると管理責任はどうなるのか

空き家の相続放棄をすると管理責任はどうなるのか

空き家の相続放棄をしても、もともと相続人であった方には、次の順位の相続人が引き継ぐまで管理責任が残ります。
なぜなら、相続放棄によって空き家が所有者不明の不動産としてそのまま放置されると、近隣に悪影響を及ぼしたり公共事業がおこなえなかったりするためです。
しかし、次の相続人がいない方や、最後の相続人になった方にとっては、相続放棄をしたのに管理責任だけが残ることになり、負担が大きくなってしまいます。
そこで、2023年4月に施行された改正民法により、相続放棄後の空き家の管理責任は以下のような場合に適用されることに変わりました。

相続放棄のときに財産を現に占有しているとき

「現に占有している」とは、実際に自分のものとして所有しているという意味です。
言い換えると、相続放棄をするときに、実際に住んでいる家については管理責任があるということです。
たとえば、相続放棄をするときに親と同居していた場合は、相続放棄をしたあとにマイホームを購入して住居を移したとしても、管理責任は残ります。

相続人または相続財産清算人に財産を引き渡すまでのあいだ

相続人全員が相続放棄をした場合は、相続人がいなくなるため、空き家の管理をする方がいなくなりますよね。
その場合は、家庭裁判所に相続財産清算人の選任申立てをおこなう必要があります。
改正民法では、空き家の管理責任は、相続財産清算人の選任をもって終了するという期限を明確にしています。

財産を保存しなければならない

改正前の民法では、財産を「管理」しなければならないとしていましたが、改正民法では、「保存」に変更されています。
ここでいう保存とは、必要最小限の維持管理のことです。
たとえば、空き家の補強をするような工事をしなければならないというわけではなく、損傷した箇所の修繕や定期的な清掃といった管理を指しています。

空き家を相続放棄するのではなく手放す方法

空き家を相続放棄するのではなく手放す方法

相続放棄は、すべての財産を放棄することになるため、空き家のみの相続を放棄することはできません。
そこで、相続放棄をするのではなく、空き家を手放すことも選択肢として検討してみましょう。
そこで最後に、空き家を手放す方法について解説します。

売却する

まず検討すべき方法は、売却して現金化することです。
売却すれば現金を得られるだけでなく、管理する手間や維持費の負担、倒壊や火災の心配がなくなります。
売却方法としては、「仲介」と「買取」の2種類があります。
仲介は、不動産会社と媒介契約を結び、売却活動をおこなって買主を探す方法です。
市場相場に近い価格での売却が望めますが、買主が見つからなければ売却できません。
通常、不動産の売却には3か月~半年程度かかるのが一般的で、立地条件や不動産の状態によっては、それ以上かかることもあります。
買取は、不動産会社が買主となって直接不動産を買い取る方法です。
不動産会社が提示する買取価格に納得すれば、すぐに売買契約に進み、ほとんどの場合1週間~1か月程度で現金化できます。
築年数が古い空き家など、売却期間が長引きそうな場合は、買取を検討してみましょう。

寄附する

自治体などに空き家を寄附するのも方法の1つです。
ただし、どのような空き家でも受け取ってくれるわけではなく、地域住民のために活用できるような空き家でなければ難しいでしょう。

空き家バンクに登録する

空き家バンクとは、空き家を売却したい方と購入したい方を繋げることを目的に、自治体が運営する非営利目的の情報サービスのことです。
空き家バンクに登録することで、その地域で物件を探している方を探すための間口を広げることができます。
しかし、買主との交渉などは個人同士でおこなわなければならないため、トラブルに発展することがよくあります。
このように、空き家を手放す3つの方法をご紹介しましたが、寄附は手元にお金が入ってくることはありません。
空き家バンクは、トラブルが起こった際のフォローがないことから、安心して取引することはできないでしょう。
したがって、不要な空き家を手放したい場合は、不動産会社の仲介や買取を利用して売却するのがおすすめです。

まとめ

相続が発生した際、親が所有していた不動産が空き家になった場合は、相続放棄という選択肢がありますが、空き家のみを放棄することはできません。
また、相続放棄をしても、そのときに親と同居していた場合は管理責任が残ります。
空き家を手放す方法としては寄附や空き家バンクなどが考えられますが、少しでも価値があるうちに売却して現金を得ることをおすすめします。


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