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不動産売却の専任返しとは?意味や注意点もわかりやすく解説

不動産ノウハウ

不動産の売却を検討しているとき、「専任返し」という言葉を耳にしたことはありませんか。実はこの言葉の意味や背景を正しく知らないまま契約すると、大切な資産を思わぬ形で手放すことになりかねません。この記事では、「専任返し」とは何か、どのような仕組みなのか、そして売主にどんなリスクがあるのかを分かりやすく解説します。不動産売却を成功させるために、まずは基本の知識を身につけましょう。

「専任返し」の基本的な意味と仕組みをわかりやすく解説

「専任返し」とは、不動産会社が売主から物件を買取再販業者へ仲介した際、そのお礼(返礼)として、再販売する段階で同じ不動産会社に専任媒介契約を結ばせる仕組みです。

他の媒介契約と比べて、専任返しには次のような特徴があります。

媒介契約の種類概要
一般媒介複数社に依頼可能で自己発見取引も許可されます。
専任媒介1社のみ依頼でき、2週間に1回以上の報告義務あり。レインズ登録は任意。
専属専任媒介1社のみ依頼かつ自己発見取引不可、週1回以上の報告義務と5日以内のレインズ登録が義務付けられます。

このような契約を通じて、仲介会社は買取と再販売の両方で仲介手数料を得る機会を増やす場合があります。

「専任返し」が用いられる背景には、不動産会社が利益を最大化しようとする業界構造があります。買取再販の流れを利用することで、売主・買主の双方から仲介手数料を得る機会を増やす戦略的な動きが見られます。

「専任返し」が売主にもたらすリスクとは

「専任返し」は、一見便利な売却手法に見えることもありますが、売主にとっては思わぬリスクが潜むことがあります。以下に、特に注意すべき三つのリスクについて、わかりやすく解説いたします。

リスク内容影響
売却価格が相場より低くなる可能性不動産会社が買取再販業者に安く「卸す」ことを優先し、売主が本来得られる金額を下回る価格になってしまうことがあります。売主の手元に残る利益が減少します。
売却期間が長引くリスク一般の買主への販売活動を意図的に抑え、買取再販業者への販売に偏ることで、物件が長期間市場に出される状態になります。資産価値の低下や税金・管理費などの負担が増し、住み替えなどの計画に支障が出るおそれがあります。
売主が損をしていることに気づきにくい点不動産の仕組みに詳しくない売主は、「専任返し」によって損をしていることに気づかず、不利な条件で取引が進んでしまうことがあります。知らないうちに金銭的・精神的な損失を負う可能性があります。

まず、売却価格に関しては、例えば相場が5,000万円の物件を、4,000万円で買取再販業者に紹介されてしまうケースがあります。この場合、売主は本来得られるはずの1000万円を失うリスクがあります。さらに、その後に高価格で再販売されると、不動産会社は仲介手数料を二重に得る構造になっていることが問題です(往復ビンタと呼ばれます) 。

次に、売却期間が長引くリスクについてですが、物件が長期間売れ残ると、固定資産税や管理費、修繕積立金などの負担が継続し、結果として資産価値が下がる可能性があります。特に住み替えなど期限がある売却では、強い焦りからやむを得ず低価格で売却を承諾してしまうおそれがあります 。

そして、売主が知らないうちに「損をしている」点については、情報の非対称性が背景にあります。不動産会社側はリスクを抱えず手数料を最大化する仕組みを知っていても、売主がそれに気づけないケースが少なくありません。誤った判断によって、契約後に後悔することがないよう、売却前にしっかり理解することが重要です 。

囲い込みや干しとの関係性を知る

「専任返し」は、買取再販業者に物件を渡した後に、再販時に元の仲介会社と専任媒介契約を結ぶスキームですが、この手法は「囲い込み」や「干し」と深く結びついています。

まず「囲い込み」とは、売主から預かった物件の情報をレインズなどに登録していなかったり、登録しても他社の問い合わせを断るなどして、わざと買い手がつかないようにする営業手法です。その結果、売却機会を奪われたり、価格競争が阻まれたりするなど、売主が不利益を被る可能性があります。

また「干し」は、意図的に販売活動を停滞させることで、売れにくい状況を作り出し、売主に値下げや買取業者への売却を促す行為です。こちらも売主が知らぬ間に損をしてしまう典型的なパターンです。

こうした囲い込みや干しを経て、最終的に「専任返し」に至る流れは以下の通り整理できます:

ステップ内容
1不動産会社が囲い込みや干しを行い、一般の買主に売却させない
2売主が焦り、買取再販業者への売却を検討せざるを得なくなる
3買取再販業者が物件を仕入れ、再販時に元の仲介会社と専任媒介契約を結ぶ—「専任返し」

この流れの中で、不動産会社や買取再販業者は「両手仲介」として仲介手数料を最大限に得ることができる一方、売主は適正な価格での売却機会を奪われるリスクがあります。

このように、「専任返し」は囲い込みや干しという不透明で売主に不利益をもたらす慣行と一緒に進行する場合が多く、売主の利益を損なう構造が出来上がってしまうのです。

専任返しを避けるために売主ができること

「専任返し」とはいわゆる買取再販スキームの一部で、不動産会社が利益を優先し、売主に不利益をもたらす可能性があります。そのため、売主の皆さまには以下のような対応をおすすめします。

対策内容ポイント理由
媒介契約の種類を理解する 専任・専属専任・一般の違い レインズ登録や報告義務の違いを把握し、不誠実な販売を避ける
販売状況を定期的に確認する 活動報告や販売経過のチェック 囲い込みや活動の抑制に早く気づく
不審な値下げ提案には理由を求める 根拠の説明や相場との乖離確認 納得のいかない価格交渉を避ける

まず、媒介契約には「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」、「一般媒介契約」の三種類があり、それぞれレインズへの登録義務や報告頻度、自己発見による取引の可否などが異なります。その違いを理解することで、専任返しにつながるような契約形態の盲点を避けられます(例:専任・専属専任では、一般の販売機会が制限される場合があります)。

次に、不動産会社からの販売状況の報告を定期的に受け、媒介契約に基づく活動が実行されているか確認してください。たとえば、専任媒介契約では2週間に一度以上の活動報告義務、専属専任媒介契約では1週間に一度以上の報告義務がありますが、報告があいまいであれば注意が必要です。

さらに、不動産会社から「相場より早く売るためには値下げが必要」などの提案があった場合には、その理由や市場価格との比較を求めましょう。説明が曖昧なまま値下げを勧められると、不利益な専任返しにつながる可能性があります。

このように、媒介契約の性質を理解し、販売の推移や価格提案の根拠を丁寧に確認することで、売主であるあなたが不利益を被るリスクを大きく減らすことができます。

まとめ

「専任返し」という不動産用語は、売主の立場で正しい知識を持つことが大切です。専任返しは一部の業界慣習であり、知らないうちに損をしてしまう可能性もあるため、売却時には契約内容や販売状況に注意を払いましょう。また、不明な点や不安があれば、信頼できる担当者に確認する姿勢が重要です。不動産売却を円滑にすすめるためにも、分かりやすい情報のもと判断することが、安心に繋がります。売却を考えはじめた方の一助となれば幸いです。

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