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不動産売却時に表題登記は必要?手続きや費用も解説

不動産ノウハウ

不動産を売却しようと考えたとき、「表題登記」という言葉を耳にしたことはありませんか。不動産を安心して売買するためには、この「表題登記」の意味と手続きをきちんと理解しておくことが重要です。本記事では、不動産売却の基礎知識として「表題登記」とは何か、その役割や手続きの流れ、注意すべきポイントまでを分かりやすく解説します。不動産に詳しくない方でも、安心して読み進められる内容となっています。

表題登記とは何か(基本的な意味と目的)

表題登記とは、まだ登記されていない土地や建物に関して、「このような物件が存在します」という必須の情報を、法務局に新たに登録する手続きです。かつて「表示登記」と呼ばれていたものが、不動産登記法の改正(平成16~17年)により正式に「表題登記」に名称変更されました。表示登記と表題登記は同じ意味であり、建物を新築した際などに行う、最初に必要となる登記です。

表題登記を行う目的は、法務局の登記簿(表題部)への公的登録を通じて、不動産の所在や構造、床面積などを明らかにし、取引の安全と円滑を確保する点にあります。不動産の取引では、対象物件が正確に特定されていることが重要であり、表題登記がその基礎となります。

表題登記は、建物を新築した後に申請義務があります。具体的には、所有権を取得した日から原則として1か月以内に申請しなければなりません。期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される可能性がありますが、申請自体はその後でも可能です。

項目内容
名称表題登記(表示登記と同義)
目的不動産の物理的情報を登記簿に登録し、取引の安全を保つ
申請期限建物取得後、原則1か月以内(過料の対象)

表題登記によって登記簿に記録される情報(表題部の内容)

表題登記を行うと、不動産登記事項証明書(いわゆる登記簿)に「表題部」として記録される情報があります。これは、土地・建物それぞれで記載内容が異なり、不動産の所在地や構造などの「物理的な特徴」を明らかにする部分です。

以下に、土地と建物それぞれの主な記載項目を整理した表を示します。

区分 主な記載項目 内容の概要
土地 所在、地番、地目、地積、原因および日付 所在地や地番で土地を特定し、用途(地目)や面積(地積)、変更履歴(原因と日付)を示します 。
建物 所在、家屋番号、種類、構造、床面積、原因および日付 建物の位置や管理番号で特定し、用途(種類)、建築構造、面積などを明記します 。

土地の表題部には、「所在」と「地番」によって、住居表示とは異なる法務局が管理する地番で土地を正確に特定できます 。そして、「地目」は宅地や畑など、土地の利用目的を示し、「地積」は面積を記載しています 。また、「原因および日付」には分筆や合筆などの経緯が記録されます 。

一方、建物の表題部では、「所在」と「家屋番号」によって個々の建物を登記上特定し、「種類」では居宅や店舗などの用途が、「構造」では木造・鉄筋コンクリート造などの建築形式が記されます 。さらに、「床面積」には各階ごとの面積が㎡単位で記載され、建築日や変更日などの経緯が「原因および日付」に記録されます 。

これらの情報は、不動産を正確に識別し、他の登記との混同を避けるための「物件のプロフィール」として、取引の安全や円滑性に不可欠な基礎となっています 。

表題登記をしないとどうなるのか(不利益となるポイント)

建物の表題登記がされていない場合、数々の不利益が生じます。以下に主なポイントを整理した表とともに分かりやすく解説いたします。

不利益の種類 詳細内容
所有権保存登記ができない 表題登記が完了していないと、その後の所有権保存登記がそもそも申請できません。これにより、所有権の法的明示ができず、不動産取引の安全性が損なわれます。
ローン契約・売却に支障 所有権が登記されていないため、金融機関が担保として認めず、住宅ローンの利用が難しくなります。売却時も買主が敬遠しがちです。
罰則(過料)の対象 表題登記は法務局への申請が法令で義務付けられており、申請を怠ると十万円以下の過料が科されることがあります。

まず、表題登記がないと、建物の所有者を正式に記録する「所有権保存登記」を申請することができません。これは法務局で登記簿に所有者としての掲載を認めてもらうために必要な手続きですが、表題登記が前提であるため、これが欠けていると法的に所有権を示すことができず、不動産取引の土台が崩れてしまいます(申請不可のため)。

また、住宅ローンの融資審査では、不動産が担保として登記されていることが前提となりますが、表題登記も保存登記もないと、金融機関はその不動産を担保と認められません。このため、借入が難しくなりますし、売却の際も買主から敬遠される可能性が高くなります。

さらに、表題登記は法務局への申請義務が法律で定められており(不動産登記法第164条)、申請を怠ると最大で十万円以下の過料が科されることがあります。この罰則により、早めの対応が望まれます。

以上のように、表題登記を怠ると、法的な所有権の主張ができず、不動産取引上の制約が大きくなると同時に、罰則のリスクも生じます。不動産を売却しようとお考えの方や金融機関を利用される予定の方は、まず表題登記の有無を確認し、未了の場合は速やかに登録の手続きを進めることをお勧めいたします。

表題登記の手続きと誰に依頼するか(流れと専門家)

表題登記(表示登記)を行うには、以下の流れで進めます。まず、新築した建物の現況(所在地、構造、床面積など)を記載した書類を準備し、必要に応じて測量図や建築確認済証などを揃えます。その後、法務局へ登記申請書を提出し、審査が行われます。申請手続き後、登記簿に表示部が反映され、正式に登記されます。この一連の手続きは、専門的な知識と書類作成が伴うため、個人で行うのは簡単ではありません。

そのため、建物の表示登記は「土地家屋調査士」に依頼するのが一般的です。土地家屋調査士は、不動産の形状や構造を正確に測量・図面化し、法的に正確な申請書類を作成・提出する専門家です。表示登記の申請には測量・図面作成が不可欠となるため、高い専門性が求められます。

費用については、登録免許税自体は新築建物の所有権保存登記時など一定の軽減措置もあるものの、建物表題登記は登録免許税が原則非課税となります。一方、土地家屋調査士への報酬は、建物の規模や構造により異なりますが、相場としてはおよそ8万円~14万5千円程度とされています。また、建物の階数や床面積、図面の複雑さなどにより増減する場合があります。

以下に、概ねの費用目安を表形式でまとめました(税別・概算):

項目費用目安備考
建物表題登記(報酬)8万円~14.5万円土地家屋調査士への報酬(建物の規模・構造により変動)
登録免許税非課税表示登記に関しては原則非課税
追加費用の可能性要相談構造の複雑さや階数によって増減あり

まとめ

本記事では、不動産を売却する際に重要となる「表題登記」について解説してきました。表題登記は、新築した建物や土地の状況を法務局へ正しく登録することで、取引の安全性と円滑さを支える登記手続きです。申請を怠ると後々の権利に関する登記や金融取引に支障が出るだけでなく、罰則の対象になる場合もあります。表題登記の内容や手続きの流れを理解し、専門家の協力を得ることで、不動産売却をスムーズに進められるでしょう。売却を検討されている方は、ぜひ正しい知識を持って対応してください。

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