よくある不動産相続トラブルとは?3つのケースと解決策を解説

不動産相続によるトラブルは年々増加傾向にあり、相続人の話し合いだけでは解決せず、調停や審判まで至ったケースも珍しくありません。
できるだけトラブルを回避するためにも、どのようなケースでトラブルになるのか、解決策とともに把握しておくことをおすすめします。
そこで、不動産相続時によくある相続人同士のトラブル、不動産を平等に分けようとする際のトラブル、名義変更ができていなかったときのトラブルの3つのケースについて解決策とともに解説します。
これから不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考になさってください。
よくある不動産相続トラブル:相続人同士のトラブル

不動産相続では、相続人同士でトラブルになるケースが少なくありません。
とくに、相続人が多いほどトラブルになるリスクが高くなります。
ここでは、どのようなケースで相続人同士がトラブルになるのか解説します。
ケース①亡くなった方(被相続人)と同居していた相続人がいる場合
相続人のなかに、亡くなった方(被相続人)と一緒に同居していた方がいる場合、ほかの相続人とトラブルになることがあります。
とくに、生前に同居していた方が介護などで亡くなった方の世話や面倒を見ていた場合、当然ながら一緒に住んでいた不動産の相続を希望するでしょう。
しかし、遺産のなかで不動産の価値が高い場合、ほかの相続人も相続したいと希望するケースも少なくないのです。
そのため、同居していた相続人とそれ以外の相続人で、揉める可能性が高くなります。
ケース②認知していた子どもが名乗り出た場合
離婚した配偶者のあいだにできた子どもや、親が認知していた子どもが名乗り出たことで、ほかの相続人とトラブルになることがあります。
これらの子どもも、法律上は相続人として認められているため、相続する権利があります。
しかし、すでに遺産分割協議が済んでいた場合は、白紙に戻り始めからやり直ししなければならなくなり、揉めたりトラブルになったりしやすくなるのです。
相続人同士のトラブルでの解決策
相続人が複数いるようなケースや、相続財産のなかに不動産がある場合は、遺産分割協議だけでは話がまとまらないケースが多いです。
そのため、トラブルなく相続を進めるためには、亡くなった方(被相続人)の遺言書の存在がもっとも有効といえるでしょう。
遺言書があれば、原則として遺言書の内容に沿って遺産分割をおこなうため、トラブルになりにくいといえます。
ただし、遺言書を作成する際は、法的に効力がある「公正証書遺言」がおすすめです。
公正証書遺言は、本人に代わって公証人が遺言書を作成するため、間違いや記載漏れにより無効になるリスクが少ないでしょう。
また、遺言書は公証役場にて保管してもらえるため、遺言書を偽造されたり隠ぺいされたりすることもありません。
生前は遺言書の作成を依頼するのは切り出しにくいことですが、トラブル回避のためにも作成をお願いしてみると良いでしょう。
よくある不動産相続トラブル:不動産を平等に分割する際のトラブル

不動産の場合は現金などと異なり、そのままでは平等に分けるのが難しく、トラブルに発展してしまうことがあります。
それは、たとえ円満な関係であっても、平等に分けようとすると揉めてしまう可能性が高くなります。
不動産を分割する方法は、現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の4つです。
それぞれの分割方法を把握したうえで、どの分割方法がもっともトラブルになりにくいのかを解説します。
分割方法1:現物分割
現物分割とは、不動産の形を変えることなくそのままの状態で相続することをいいます。
相続した不動産が土地であれば、相続人で土地を分筆して、分筆した土地をそれぞれが個々に所有者となって相続することになります。
ただし、実際は平等に分割できたと思っても、分筆された土地の形状や方位などから、まったく同じ資産価値とはいえません。
さらに、土地のうえに建物が建っている場合は、事実上現物分割は難しくなります。
分割方法2:代償分割
代償分割とは、相続人の1人が不動産を相続し、ほかの相続人には代償金を支払う相続方法です。
たとえば、相続人が長男と長女だった場合、長男が2,000万円の価値がある不動産を相続すると、長男は長女に半分の価値の1,000万円の代償金を支払う必要があります。
なお、代償分割は、代償金を支払うだけの資金力がなければ成立しないため注意が必要です。
分割方法3:換価分割
換価分割とは、相続した不動産を売却して、相続人全員で売却金を分割する方法です。
たとえば、売却により手元に残った売却金が3,000万円の場合は、相続人2人がそれぞれ1,500万円ずつ受け取る形になります。
分割方法4:共有分割
共有分割とは、1つの不動産をそれぞれの持分に応じて所有する方法です。
持分に応じて分配するため、一見すると平等に分割できたように思えますが、決して望ましい相続方法とはいえません。
なぜなら、共有不動産としてしまうと、不動産を活用する際に共有者全員の同意が必要となるからです。
また、新たな相続が生じることに共有者が増え、結果的に把握しきれなくなる可能性が高いため注意が必要です。
不動産を平等に分ける際のトラブルにおける解決策
上記の4つの分割方法のなかで、もっともトラブルなく平等に分割できるのは「換価分割」です。
換価分割であれば、不動産を現金化するため、1円単位で分けることが可能だからです。
ほかの分割方法は、さまざまリスクが生じてしまうため、トラブルを回避したい場合は避けるべきでしょう。
よくある不動産相続トラブル:名義変更ができていないトラブル

相続した不動産の名義が変更されておらず、トラブルになるケースもあります。
一般的には、不動産を相続すると所有者の名義を変更する手続きをおこなわなければなりません。
しかし、以前は相続登記が義務化されていなかったこともあり、変更せずにそのままにしておくといったケースも少なくなかったのです。
遺産分割協議書を作成し、不動産関係の書類を確認すると、名義人がずいぶん前に亡くなった方のままだったといった事態もあるのです。
ここでは、そのような名義変更されていなかった場合の解決策を解説します。
解決策①当時の遺産分割協議書を探す
名義変更がされていなかった場合は、非常に時間と手間がかかる手続きになります。
まずは、当時の被相続人が亡くなった際の遺産分割協議書を探すところから始めましょう。
遺産分割協議書には、そのときの相続人が記載されています。
もし、見つからなかった場合は、遺産分割協議書を再度作成し、すべての相続人に署名・捺印をしてもらわなければならないため注意が必要です。
解決策②生前から不動産登記を確認しておく
名義変更できていないようなトラブルを回避するためには、できれば生前から不動産の登記を確認し、どのような状況になっているか把握しておくことがベストでしょう。
不動産登記は、法務局にて確認することができます。
生前であれば、必要に応じて対処できるため、早めに確認しておくことをおすすめします。
まとめ
不動産相続では、相続人同士のトラブルから遺産分割によるトラブルなど、さまざまなトラブルが生じます。
トラブルが生じてから解決すると、多大な手間と時間を要してしまいます。
そのため、できれば生前のうちから遺言書を作成したり、不動産登記を確認したりして対応しておくと、スムーズに相続できるでしょう。