不動産の相続税評価額とは?家屋・建物と土地の計算方法を解説

不動産相続時の税金

不動産の相続税評価額とは?家屋・建物と土地の計算方法を解説

不動産を相続する際に、知っておきたいのが「相続税評価額」です。
相続税評価額は、相続税額に大きく影響する可能性があるため、あらかじめ計算の仕方などについて把握しておくと良いでしょう。
そこで、不動産の相続税評価額とはなにか、家屋・建物、土地の計算方法について解説します。
相続にお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。

不動産の相続税評価額とは?

不動産の相続税評価額とは?

不動産を相続すると、相続財産の金額によっては相続税がかかることがあります。
その相続税の計算する際のもととなるのが「相続税評価額」です。
ここでは、相続税評価額とはなにか、また固定資産税評価額との違いについても解説します。

相続税評価額とは

相続税評価額とは、相続税および贈与税を算出するときの基準となる課税価格のことです。
そもそも相続税がかかるか判断するには、亡くなった方(被相続人)がどのくらい価値がある遺産を遺したのかを把握する必要があります。
遺産は、現金や預貯金、不動産、有価証券などさまざまありますが、これらを一つ一つ評価することで、遺産の総額がわかります。
その際の評価方法は財産ごとに定められており、その評価方法をもとに計算した財産の価額が「相続税評価額」というわけです。
そして、この相続税評価額をすべて合計し、相続税の支払いの有無を明らかにしていきます。
なお、評価方法は財産ごとに異なりますが、原則として「時価」で計算します。

固定資産税評価額との違い

税金に関係する土地の価額には、相続税評価額以外に「固定資産税評価額」があります。
両者は、そもそも目的が異なりますが、どちらも相続税の申告で利用するため、混同しないように注意が必要です。
固定資産税評価額とは、固定資産評価基準に基づいて、市町村が評価・決定する価額のことです。
固定資産税や登録免許税などを課税するために用いられます。
固定資産税評価額は、各役所で固定資産課税台帳を閲覧できるほか、毎年4~6月頃に送付されてくる固定資産税の課税明細書で確認できます。
このように、固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する際の基準となるものに対して、相続税評価額は、相続税算出の根拠となるもので、性質は全く異なるため注意しましょう。
また、固定資産税評価額は役所が計算し通知しますが、相続税評価額は納税者自らが計算しなければならない点も異なります。

不動産における相続税評価額の計算方法(家屋・建物)

不動産における相続税評価額の計算方法(家屋・建物)

続いて、実際に相続税評価額はどのように計算されるのかを見ていきましょう。
まずは、家屋・建物の計算方法を解説します。
家屋・建物の場合は、故人がどのように利用していたかによって計算方法が異なります。

故人が家屋を利用していた場合

故人が居住用や事業用として家屋を使っていた場合は、以下の計算式で算出されます。
相続税評価額=固定資産税評価額×1.0
この計算式からもわかるように、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。
たとえば、固定資産税評価額が3,000万円であれば、「相続税評価額=3,000万円×1.0=3,000万円」です。

故人が第三者に家屋を貸していた場合

故人が家屋を第三者に貸していた場合は、賃貸割合が100%になります。
そのため、この場合の相続税評価額は以下の計算式で算出します。
相続税評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合)
借家権とは、家屋を借りて使用する権利のことで、その割合は家屋の評価額の30%と定められており、借家権の分を家屋の評価額から差し引くことができます。
たとえば、固定資産税評価額が3,000万円の家屋を第三者に貸していたとしましょう。
前述したように、借家権割合は家屋の評価額の30%であるため、この場合の借家権の評価額は「3,000万円×0.3=900万円」となります。
借家権の分を差し引くことができるため、「3,000万円-900万円=2,100万円」が評価額となります。
したがって、上記の計算式に当てはめると、以下のとおりです。
相続税評価額=3,000万円×(1-0.3)=2,100万円
固定資産税評価額が3,000万円の家屋を貸していた場合は、上記のように2,100万円が相続税評価額となります。

故人が賃貸アパートを所有していた場合

故人が賃貸アパートを所有していた場合は、以下の計算式で算出されます。
相続税評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
賃貸割合とは、貸している部分の床面積の割合のことを指します。
たとえば、賃貸アパートの建物部分の固定資産税評価額が5,000万円、部屋の床面積が200㎡で貸している部分の床面積が100㎡だとしましょう。
この場合の賃貸割合は、「100㎡÷200㎡=50%」となり、上記の計算式に当てはめると以下のように計算できます。
相続税評価額=5,000万円×(1-0.3×0.5)=4,250万円
上記のケースであれば、相続税評価額は4,250万円となります。
なお、貸している部分の床面積が大きいほど、評価額が下がります。

不動産における相続税評価額の計算方法(土地)

不動産における相続税評価額の計算方法(土地)

最後に、土地の相続税評価額の計算方法を見ていきましょう。
土地の評価方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2つがあります。
どの方式を用いるかは、土地の地域や地目によって異なります。

評価方法1:路線価方式

路線価とは、その道路に面した土地1㎡あたりの評価額のことです。
この路線価が設定されている場合は、路線価に基づいて評価をおこないます。
というのも路線価は、必ずしもすべてのエリアに設定されているわけではありません。
路線価が設定されていない場合は、2つ目の倍率方式で評価します。
なお、ご自身の所有の土地に路線価が設定されているかどうかを調べるには、国税庁のホームページ上の「路線価図・評価倍率表」で確認可能です。
路線価地域であった場合は、以下の計算式で相続税評価額を算出します。
相続税評価額=路線価×各種補正率×土地面積
補正率とは、土地の形状に応じた土地の価値を正確に算出するための割合のことです。
正方形や長方形であれば活用しやすい土地として高く評価されますが、不整形地など使いづらい場合は低く評価されます。

評価方法2:倍率方式

前述したように、路線価が定められていない地域は倍率方式で計算します。
人の出入りが少ない地域や開発が進んでいないエリアでは、路線価が設定されていないケースがあるため、そのようなエリアは倍率方式を用います。
倍率方式の場合の相続税評価額の計算方法は、以下のとおりです。
相続税評価額=固定資産税評価額×倍率
倍率とは、国税庁のホームページ上の評価倍率表で確認することができます。
たとえば、固定資産税評価額が2,000万円で倍率が1.1の場合は、「2,000万円×1.1=2,200万円」となります。

減額要素について

土地の相続税評価額は、土地の利用方法や地形などによってさまざまな減額要素が認められています。
たとえば、借家建付地は約20%ほど評価額を下げることができます。
この減額要素が認められれば、相続税の負担が減るため、メリットとして大きいといえるでしょう。
減額要素については、専門的知識も有することから、経験豊富な税理士に相談しながら進めるのもおすすめです。

まとめ

相続税評価額とは、相続税や贈与税を算出する際に用いられる際に基準となる評価額のことです。
家屋・建物と土地によって計算方法は異なり、また利用していた状況や地域によっても算出方法が異なります。
計算方法は複雑、かつ専門的知識を有するため、税理士に相談しながら進めるとスムーズでしょう。


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