相続税を過払いする理由は?還付手続きの流れや事例を解説!

親などが亡くなって財産を受け継いだときには、相続が発生したことを知った日の翌日から10か月以内に相続税を納めなければなりません。
ケースによっては納税額が多くなってしまうことがありますが、そのようなときには還付を申請すると取り戻せる可能性があります。
そこで今回は、相続税を過払いしてしまう理由や還付請求の期限と流れ、還付事例について解説します。
相続税を過払いしてしまう理由

知らないうちに相続税を過払いしてしまうケースが意外と多いことをご存じでしょうか。
相続税還付は過払いした税金を取り戻すための手続きですが、その原因や仕組みを知ると適正な納税が可能になります。
ここでは、相続税を過払いしてしまう理由を解説します。
そもそも相続税の還付とは?
「相続税の還付」とは、すでに納めた相続税のうち、本来納める必要がなかった分をあとから取り戻す仕組みです。
税務署への申告時に土地や財産の評価を適切におこなわなかったり、専門知識の不足から誤った計算がなされてりすることがあります。
そのため、結果として相続税を過剰に納めてしまうことがあります。
しかし、還付手続きを利用することで、申告内容の誤りを是正し、納税済みの税額を返還してもらうことができます。
納税済みの相続税を取り戻せる理由
納税済みの相続税を取り戻せる理由は、土地や建物の評価額に誤りがあるからです。
たとえば、広大地や不整形地といった特殊な土地の評価には専門的な知識が必要で、通常の地価評価とは異なる基準で計算されます。
不動産に詳しくない税理士に依頼すると、相続した土地の価値を過大評価してしまい、結果的に納税額が高額になることがあります。
しかし、不動産に詳しい専門家に依頼すれば、相続した土地を適切に評価し直し、課税対象となる土地の評価額が下がることがあるでしょう。
そして、誤りを修正する更正の請求を税務署におこない、認められると、納税額の一部を返還してもらえる可能性があります。
なお、相続した土地をすでに売却している場合でも、還付の対象となります。
相続税を過払いしてしまう理由とは?
相続税を過払いしてしまう理由として考えられるのは、相続した財産の評価額を誤って計算したケースです。
また、申告当時には正しい納税額であっても、そのあとの判例や通達が遡って適用され、結果的に過剰に納税してしまうことがあります。
さらに、相続税の計算に不慣れな税理士に依頼することも一因です。
誤って相続税を過剰に支払っても、税務署から通知が来ることはありません。
そのため、相続財産に不動産が含まれている場合、正確な相続税を計算するためには、相続税や不動産に詳しい税理士に依頼することをおすすめします。
相続税還付の期限と流れ

相続税を過払いしているときには、還付手続きをおこなうと一部を返還してもらえる可能性があります。
しかし期限があり、流れを理解していないと権利を失いかねないため注意が必要です。
ここでは、還付手続きの期限と流れを解説します。
還付の期限は?
相続税の還付請求には期限があり、原則として相続税を申告・納付した日から5年以内に手続きをおこなう必要があります。
なお、相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内であり、相続日から換算すると実質的には5年10か月以内です。
この期限を過ぎると、更正の請求ができなくなり、還付を受けることもできません。
そのため、速やかに相続に詳しい税理士に相談することが重要です。
いくら返還してもらえる?
相続税を過剰に支払っている場合、更正の請求をおこなうことで、納税額の約20%が返還される可能性があります。
ケースによっては、それ以上の金額が返還されることもあるでしょう。
ただし、正確な還付額は相続財産の内容や評価方法などによって異なるため、個別に確認する必要があります。
更正の請求手続きの流れ
相続税の還付を受けるためには、更正の請求をおこなう必要があります。
手続きの流れとしては、まず税務署に提出した書類を見直すことから始めます。
相続に詳しい税理士に依頼し、不動産の評価額が適正かどうかを確認してもらいましょう。
調査の結果、評価額が下がる場合には、税金の還付を受けるために必要書類を整え、税務署に提出します。
更正の請求に必要な主な書類は、以下のとおりです。
●更正の請求書
●相続税申告書
●本人確認書類
●修正申告書
●土地の評価証明書
その後、修正内容が認められると、税務署から相続税の還付を決定する更正通知書が送付されます。
更正通知書が手元に届くまでには約3か月の時間がかかるため、焦らずに待つことが大切です。
そのあと、国税還付金振込通知書が届き、その約2週間後に還付金が振り込まれます。
通知書と振り込まれた金額が一致しているか、しっかりと確認しましょう。
なお、税理士に更正の請求を依頼すれば、書類の収集から申告まで代行してもらえるため、手間を省けます。
還付手続きをおこなう時間が取れない方は、税理士に依頼するのが良いでしょう。
ただし、還付金を受け取ったあとには報酬を支払う必要があるため、事前に確認しておくと安心です。
また、還付金は収入には該当しないため、確定申告をおこなう必要はありません。
相続税が還付された事例

実際に相続税の還付を受けた事例を見ると、その重要性や効果を具体的に理解できるでしょう。
そこでここでは、代表的な還付事例を2つご紹介します。
広大地の事例
広大地とは、三大都市圏では500㎡以上、それ以外のエリアでは1,000㎡以上の広さを持つ土地を指します。
広大地を売却する際には、複数の区画に分けるケースが一般的ですが、その場合、土地に接する道路を新たに作らなければならず、宅地として利用できる面積が減少する可能性があります。
そのため、広大地を評価する際には、補正によって評価額が大幅に下がることがあるでしょう。
また、隣接する2つの土地を相続した場合、それぞれを個別に評価すると評価額が高くなります。
しかし、フェンスなどで土地を隔てるものが存在しない場合、2つの土地は1つの広大地として見なされ、広大地評価が適用されることになります。
そのため、結果的に評価額が下がり、還付を受ける可能性があるでしょう。
実際、1,000万円以上返還された事例もあります。
不整形地の事例
不整形地とは、形状が不規則で市場価値が低い土地を指します。
不整形地は宅地として有効活用することが難しいため、補正が適用され、評価額は最大で40%下がることがあります。
しかし、通常の方法で評価されると、実際の市場価値よりも高く見積もられることがあり、その結果、納税額が高額になる可能性があるため注意が必要です。
長方形や正方形に近い土地でも、一部分が欠けていたり、出っ張っていたりする場合には、不整形地として評価額を下げることが可能です。
実際に、30万円ほどが返還された事例もあります。
不動産に詳しくない税理士に依頼すると、これらの点を見落としてしまう可能性があるため、土地の評価に詳しい税理士を選ぶことをおすすめします。
まとめ
相続税を過払いする理由は土地の過大評価などさまざまですが、手続きをおこなうと一部を返還してもらえる可能性があります。
ただし還付を受けられる期限は5年のため、即座に行動に移すことが大切です。
相続税の還付を受けられる事例としては、広大地や不整形地などの評価額を高く見積もっていたケースが挙げられます。