相続における固定資産税がかからない土地は?税金や処分法についても解説

所有している土地には、毎年固定資産税を納めるのが一般的ですが、実はかからないケースが存在するのをご存じでしょうか。
この記事では、固定資産税がかからない土地の条件や、所有者が亡くなり受け継ぐ場合の対処法、不要の場合に処分する方法についても解説をしています。
土地を受け継ぐ予定がある方は、参考にしてみてください。
相続時に固定資産税のかからない土地とは

固定資産税の対象ではない土地には、いくつかの条件があります。
固定資産税のかからない土地の条件について、詳しく見ていきましょう。
課税標準額が30万円未満
固定資産税は、標準額をもとにして算出されます。
標準額は土地の評価額の70%です。
固定資産税の場合、最低の課税額が設けられています。
土地の場合は、多くの自治体で課税標準額が30万円未満の土地は固定資産税が非課税です。
また、固定資産の評価額は、多くの自治体で3年ごとに見直しがおこなわれます。
そのため、これまでは標準額に満たないことで対象にならなかった土地も、見直しによって評価額が上がると、固定資産の対象となる可能性もあります。
国や地方自治体が所有している土地
国や市区町村といった自治体が所有している土地は、固定資産税の対象ではありません。
具体的には、市区町村役所や公園、国公立の学校などが該当します。
地方税法によって定められている保有林など
国や地方自治体所有の土地以外でも、地方税法で決められた土地にはかかりません。
具体的には、保有林や墓地、国有林などの目的で利用されている土地は、公共のものとして認められているため該当します。
不特定多数の方が利用する土地
そのほかにも、公共の道路に面していて、不特定の多くの方が通って利用している土地には固定資産がかかりません。
たとえば、公道から公道の抜け道となっている道は、所有者以外の多くの方に通行目的で利用されると考えられるため、公共性が高いとみなされるでしょう。
袋小路になっている私道でも、公民館や公園といった公共施設があり、施設を利用する目的で通行する多数の方がいると、該当します。
また、公共のバス停がある、バスが転回する場所として使われている私道も、不特定の方が使うと考えられるでしょう。
この公共性の高い私道に該当するかの判断は、各自治体によっておこなわれるため、気になる方は確認してみましょう。
固定資産税のかからない土地にも相続税はかかる?相続時の申告方法とは

固定資産の対象ではない土地を相続で受け継いだ場合には、相続税はどのように計算されるのでしょうか。
考え方について具体的にみていきましょう。
固定資産がかからないケースの考え方
固定資産がかからない土地でも、所有者が亡くなり、配偶者をはじめとした親族や指定された方に受け継がれると対象です。
故人が生前所有していた、すべての財産を合算します。
そのため、土地の評価額が30万円未満の土地であっても、評価額は付けられています。
基礎控除額の計算方法は、法定相続する人数に600万円を掛け、3000万円を足した額です。
固定資産の対象ではなくても、遺産の総計が基礎控除額を超えると対象となります。
一般的には、毎年5月から6月ごろ、地方自治体より土地の所有者に対して納税通知書が送付されてきます。
通知書には、土地の地番や地目といった情報や、標準額や評価額なども記載されているので、土地を受け継ぐ際に計算しやすいです。
しかし、固定資産の対象ではない土地には、通知書は送られてきません。
そのため、標準額が30万円未満で低く、固定資産税がかからない土地であっても、受け継ぐ際には、忘れずに財産の計算に含めるようにしましょう。
土地の相続登記の方法
亡くなった方の土地は、相続人全員による話し合いをおこないます。
協議によって、誰がどのように分けるか決め、全員の合意を得る必要があります。
話し合いの内容は、遺産分割協議書に書き起こして、全員分の署名と捺印を残すようにすると、トラブルを防止できるでしょう。
土地を受け継ぐ方が決定したら、法務局で相続登記の申請をおこないます。
登記に関しては、必要書類を発行するための手数料など、諸費用が必要です。
登記手続きを司法書士などの専門家に依頼をすると、さらに手数料が必要となります。
固定資産税がかからない土地を相続した場合の処分方法

標準額が低い土地は、不動産会社に売却のために仲介依頼をしても、買い手がつかず売れない場合も多いといえます。
そのため、相続をしたものの、土地を処分したいと考えているケースもあるでしょう。
そこで、そういった場合の処分方法についてみていきましょう。
相続土地国庫帰属制度を利用
相続土地国庫帰属制度とは、2023年より施行された相続土地国庫帰属法による新しい制度です。
宅地や山林や農地などを相続した方で、一定の条件をすべて満たしていれば、所有権を国へ返還ができます。
制度を利用するためには、法務局に対して申請をおこない、審査を受ける必要があります。
返還には、建物が残っていない、土壌汚染や埋設物がない、崖がない土地などが条件です。
権利で争っている土地や、抵当権や賃借権が設定されている、通路などで利用されている土地は対象外です。
国に返還するための申請には、必要書類をそろえる必要があります。
また、一筆あたりの審査手数料が必要です。
審査によって国への寄付が認定されたら、10年分の管理費用にあたる金額の支払いが必要となります。
さらに、所有権が移転するため登記費用や税金も必要です。
隣地所有者に売却をする
評価額が低い土地の場合は、隣地を所有している方や、知人に依頼をして、安く売却する方法も検討しましょう。
相続をした方にとっては、価値がなく処分したいと思う土地でも、買い手にとっては所有地が広くなります。
土地が広いと、事業を広げるなど、新たな価値が生まれる可能性があります。
隣地の所有者が分からない場合には、法務局で登記簿謄本を取得すると持ち主が判明しますので、所有者に相談してみましょう。
寄附採納申請を利用する
寄附採納申請制度を利用して、土地が所在している市町村に寄付をおこなう方法もあります。
寄付を受け入れるかどうかは、地方自治体によって基準が異なっています。
受け入れのためには、建物の塀などの構造物が撤去されている、権利関係がない、境界が明確になっているなどが主な条件です。
寄付の申請の際には、事前に書類の記入の他、登記事項証明書や該当する土地の測量図、公図などを準備する必要があります。
詳細な条件や、必要書類は事前に市町村役場の担当部署に問い合わせてみましょう。
空き家バンクを利用する
地方自治体などが運営している空き家バンクに登録する方法もあります。
空き家バンクとは、近年社会問題となっている空き家問題の解消のため運営されている制度です。
不要となった空き家の所有者と移住などを希望する方の橋渡しを非営利でおこなっています。
地方自治体によっては、空き家とあっても住宅だけでなく、土地も取り扱っているケースも多いです。
不要な土地を登録しておくと、移住を希望している方や、土地を利用して事業をしたいと考えている方が購入を希望する可能性があります。
土地がある地方自治体の空き家バンクに相談をして、登録をしてみましょう。
まとめ
標準課税額が30万円未満の土地や山林や国の所有地や地方自治体によって定められた土地などは、固定資産税の対象外です。
相続をする場合に、故人が所有していた遺産を合算するため、土地に固定資産税がかかっていなくても、相続税がかかる可能性があります。
相続した土地が不要な場合には、国に返納したり、地方自治体に寄付するといった方法も検討すると良いでしょう。