不動産相続で発生する税金とは?種類や控除制度について解説

不動産相続時の税金

不動産相続で発生する税金とは?種類や控除制度について解説

親が所有していた不動産を相続した場合は、相続人に対して税金が課されます。
どのような税金がどれくらいかかるのか、また負担を軽減する方法があれば知っておきたいですよね。
そこで今回は、不動産など親の財産を相続する際に発生する税金の種類と計算方法、税金を抑える方法について解説します。
不動産の相続を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

不動産を相続する際に発生する税金の種類

不動産を相続する際に発生する税金の種類

まずは、不動産を相続するとどのような税金が発生するのかについて解説します。
不動産を相続した場合に発生する税金は、以下の2種類です。

●登録免許税
●相続税


それぞれの概要について、順番に解説します。

登録免許税とは

不動産を取得すると、土地や建物ごとの所在や面積、所有者、抵当権などの権利関係を登記簿に記録する手続きをおこなう必要があります。
この手続きを登記といい、法務局で申請します。
登録免許税とは、この登記の際に国に納める税金のことです。
不動産を相続した場合は、登記簿に記録されている不動産の名義を被相続人から相続人へ変更しなければなりません。
これを相続登記といい、不動産を相続した方には、相続で取得したことを知った日から3年以内に手続きすることが法律上義務付けられています。
計算方法については次章で解説しますが、登録免許税は、不動産の課税標準額に税率を乗じて計算します。
登録免許税の納付方法
登録免許税は、法務局で登記をおこなう際に現金で納付するのが原則です。
金融機関で登録免許税を納付し、その領収証書を登録免許税納付用台紙に貼り付けて法務局に提出する仕組みになっています。
税額が3万円以下であれば、収入印紙での納付も認められています。
オンラインで申請する場合は、電子納付も可能です。

相続税とは

相続税とは、亡くなった親などの現金や預貯金、不動産などの財産を相続した場合に、その受け取った財産に対して課される税金です。
とはいえ、相続税は、財産を相続するとかならず発生するわけではありません。
相続税には基礎控除額が設けられており、相続した財産の金額が基礎控除額を上回っているときに、相続税が課されます。
なお、相続税の計算方法についても、次章で解説します。
相続税の納付方法
相続税には、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」という納付期限があります。
期限内に自分で税額を計算し、最寄りの金融機関または税務署で納付書を作成して、現金一括で納めるのが原則です。
不動産のみを相続した場合、相続財産から相続税を納めることはできないため、現金を準備しておく必要があります。

不動産を相続する際に発生する税金の計算方法

不動産を相続する際に発生する税金の計算方法

相続が発生した際、実際にどれくらいの税金が課されるのかを事前に把握しておくと、慌てずに手続きを進められます。
そこで次に、相続した不動産にかかる税金の計算方法について解説します。

登録免許税の計算方法

登録免許税は不動産の課税標準額に税率を乗じて計算しますが、登記の種類によって税率が異なります。
相続登記の場合は、以下のようになります。
登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
たとえば、相続した不動産の固定資産税評価額が1,000万円であれば、4万円の登録免許税が課されるということです。
なお、土地と建物は別個の不動産として扱われます。
土地付きの一戸建ての相続登記をおこなう場合は、それぞれの評価額の合計に税率を乗じて計算します。
ただし、評価額が100万円以下の土地の相続登記をおこなう場合、登録免許税は非課税です。
建物については、評価額が100万円以下であっても課税されます。
つまり、評価額が100万以下の土地と建物の相続登記をおこなう場合は、建物のみに登録免許税が課されることになります。

相続税の計算方法

相続税は、以下の流れに沿って計算します。

●基礎控除額を把握する
●遺産の課税価格を計算する
●相続人ごとの課税価格を計算する
●税率を乗じて相続税の総額を算出する
●相続人ごとに按分する


先述のとおり、相続税には基礎控除額が設けられています。
基礎控除額は、以下の計算式で算出します。
基礎控除額=3,000万円+600万円×相続人の人数
たとえば、相続人が妻と子ども2人の場合の基礎控除額は、「3,000万円+1,800万円=4,800万円」です。
次に、相続税の課税価格を計算します。
相続税の課税価格は、財産を評価した「相続税評価額」を用います。
現金は額面どおり、預貯金は残高がそのまま相続税評価額となり、不動産については計算して割り出さなければなりません。
土地の相続税評価額は、土地があるエリアで定められた「路線価方式」もしくは「倍率方式」によって算出します。
建物については、固定資産税評価額と同額とするのが一般的です。
そして、各財産の課税価格を合計して遺産総額を算出し、相続人ごとの課税価格を計算します。
相続人ごとの課税価格=課税遺産総額×法定相続分
法定相続分は民法で定められており、法定相続人が配偶者と子ども2人であれば、配偶者の法定相続分は1/2、子どもは1/4ずつです。
相続人ごとの課税価格が算出できたら、税率を乗じて相続税を計算し、それを合計して相続税の総額を算出します。
そして最後に、相続税の総額を、各相続人が取得した遺産額の割合で按分します。
各相続人の税額=相続税の総額×各相続人の課税価格÷課税価格の合計額
このように、相続税の計算は複雑です。
個人で計算して申告するのが難しい場合は、費用はかかりますが税理士に依頼したほうがスムーズに手続きできるでしょう。

不動産を相続する際に発生する税金を抑えられる控除制度

不動産を相続する際に発生する税金を抑えられる控除制度

相続税の負担を軽減できる控除制度があれば、ぜひ活用して節税したいですよね。
そこで最後に、不動産の相続で発生する税金を軽減できる控除制度について解説します。

住宅資金贈与制度

住宅資金贈与制度とは、直系尊属(父母・祖父母など)から住宅の購入資金をもらった場合、最大1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。
本来、贈与を受けた方には贈与税が課されます。
現金を残せば相続税が課されますが、この制度を利用して最大1,000万円までは課税なしに贈与を受けられるため、相続税対策にもなるのです。

配偶者控除

配偶者控除とは、配偶者が相続した遺産が1億6,000万円までの場合、相続税が非課税になる制度です。
1億6,000万円を超えても、法定相続分までであれば相続税は課されません。
ただし、配偶者控除を受けるためには、相続税の申告期限までに遺産分割を完了し、さらに非課税であっても相続税の申告をする必要があります。

相次相続控除

相次相続控除とは、相続が発生してから10年以内に新たな相続が発生した場合、本来であれば納付しなければならない相続税から、一定額を差し引くことができる制度です。
この制度は、短い期間に何度も相続が発生したことで、相続税の負担が重くなるのを軽減するのが目的としています。
控除されるのは、10年を100とし、そこから1年につき10%減らした割合です。
たとえば、前回の相続から2年後に新たな相続が発生した場合は80%(100-20)、7年であれば30%(100-70)の控除を受けられます。
相続から相続までの期間が短いほど、控除の割合が大きくなる仕組みになっています。

まとめ

不動産を相続すると、相続登記の際に課される登録免許税と、相続した財産に対する相続税が発生します。
とくに相続税は高額になりやすいですが、基礎控除額が設けられており、その控除額を超えなければ相続税は課されません。
また、相続税の負担を軽減する控除制度もあるため、条件を満たす場合は積極的に利用して節税に繋げましょう。


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