家の相続に必要な手続きは?流れや分け方を解説

親族が亡くなったときに相続が発生した場合、どのように手続きするべきなのか知らない方も少なくありません。
そこで今回は、各種申請の流れや、相続した不動産の分け方について解説していきます。
また、自分で対応する場合についても触れているので、現在お困りの方は今後の参考になさってください。
家を相続する手続きの流れ

建物を引き継ぐ場合、どのように手続きすべきなのでしょうか。
以下で流れを見てみましょう。
遺言書の有無が重要
そもそも、資産を相続するための基準となるのが、遺言書の有無です。
遺言書が遺されている場合は、そこに記載されている内容にしたがって、資産を分配するのが基本となります。
反対に、遺言書がない場合は相続人全員で協議をおこない、どのように資産を分けるのかを決めなくてはなりません。
そのため、最初の流れとしては、まず遺言書がないか確認する作業からスタートしましょう。
遺言書は公正証書の場合、役所に行くことで有無をチェックできます。
これは、作成時に遺言書を遺したと記録されるためです。
全国各地で同様のデータが取り扱われているので、どこの役所からでも専用システムを使ってリサーチすることが可能です。
注意点として、このシステムでは、遺言書を作成した方の名前や生年月日などの個人情報を用いて検索する必要があります。
そして、検索した結果に応じて、今後の相続の流れが決まります。
もし遺言書が見つかった場合は、原本を閲覧するか、郵送で送ってもらえますが、その場での発行ができないので注意が必要です。
そのため、資産を引き継ぐ際に必要となる場合は、早めに手続きをおこないましょう。
なお、検索をするうえでシステムの利用料はかからないので安心です。
相続人を確定と調査
もし、遺言書が無かった場合は、法律にしたがって相続人となる方を確定させましょう。
たとえば、親が亡くなった場合は、その子どもや妻に権利が回ってきます。
これらを決める際には、戸籍謄本を取得しなくてはなりません。
親族関係は身内なので把握できていると思ってしまうかもしれませんが、実は自分が知らない血のつながった相続人がいるかもしれないので必ずチェックしましょう。
また、この確認作業は、協議をする前の段階でおこないましょう。
もし、協議後に資産を引き継ぐ権利を持つ方が見つかった場合、再度話し合いが必要となり、結果として二度手間になります。
このような事態にならないよう、適切に対応しなくてはなりません。
また、そもそもどのような資産が残されているのか、調査をするのも大切です。
貯金はいくらあるのか、家や土地などの不動産は所有しているのかなど、一つひとつチェックが必要です。
もし遺言書が残されている場合は、ある程度の状況を把握できますが、専門家に依頼して調査をおこなったほうが間違いないでしょう。
申請手続き
財産の内容を把握できたら、協議をおこなって、どのように遺産を分けるのかを決めましょう。
これは、遺言書が遺されていない場合に限ります。
また、一人でも権利を持つ方が欠けた状態で協議された場合は、その内容が無効になるので注意しましょう。
必ず、全員で集まった状態で話し合いましょう。
また、内容が確定したら協議書を作成し、登記の申請をおこないます。
申請手続きは、法務局でおこないましょう。
この手続きは、令和6年から義務化されており、何もせずに放置していると過料が発生します。
家はもちろんですが、土地を取得した場合にも必須なので、忘れないようにしなくてはなりません。
そして、手続きをおこなったら、税金の申告と納付をおこないます。
遺言書における注意点
遺言書が見つかった場合に、中身を確認するために開封しようと考える方も少なくありません。
しかし、種類や保管場所によっては、家庭裁判所による検認が必要になります。
もし、検認をおこなわずに遺言書を開封した場合は、5万円以下の過料が発生してしまうので注意しましょう。
各種申請に必要な内容なので、すぐにでも中身をチェックしたくなるかもしれませんが、検認がないと開封できない場合もあるので覚えておきましょう。
ただし、公正証書遺言の場合は、検認は不要となります。
また、直筆の遺言が法務局に保管されていた場合も不要です。
相続した不動産の分け方

物件を取得した場合、どのような分け方があるのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。
現物分割
もっとも簡単な分け方が、現物分割です。
これらは、その名のとおり家をそのままの形で引き継ぐ方式を指します。
たとえば、父親が亡くなった場合は、その妻が建物を、子どもが預貯金を引き継ぐようなケースです。
あくまでも、現物のままでやり取りされるので、不動産は現金化されません。
また、場合によっては分筆によって土地を分けるケースもありますが、こちらも「土地」の形を保った状態での引継ぎとなるため、現物分割となります。
とても簡単な分け方ではありますが、物件の評価額によってはトラブルが起こるリスクもあります。
たとえば、物件の評価額が預貯金よりも高い場合は、預貯金を得た方が「不動産を相続したほうが得だった」と感じるかもしれません。
手続きの方法としては、簡易的に済むメリットはありますが、口論になるリスクも考慮しなくてはならないでしょう。
代償分割
代償分割は、親族同士でのトラブルになりにくい方法です。
一人が物件を単独で所有できますが、その代償として他の方に対してお金を支払います。
ある方は物件を得られて、他の方はその分お金を得られるので、権利を持つ方全員が納得しやすいといえるでしょう。
ただし、この場合は物件を単独で所有する方に、十分な資金力が必要です。
そもそも他の方に支払うお金がないと、この手続きは現実的ではなくなるでしょう。
換価分割
換価分割は、物件を現金化して分割する方法です。
そのため、事前に家を売却する必要があります。
不動産会社に相談したり、買主となる方を探したりする手間はあるものの、公平に分割できるのはメリットといえるでしょう。
買主が見つからない場合は、業者に買取を依頼する方法もあるので、この方法を選ぶ方も少なくありません。
ただし、誰かが既に住んでいる、もしくは今後住みたいと考えている場合は、別の方法を検討しなくてはならないでしょう。
あくまでも、全員が現金化を望んでいる場合のみにおこなわれます。
不動産の相続は自分でできるのか

不動産の引き継ぎを自分でおこないたいと考える方もいるでしょう。
ここでは、不動産の引継ぎを自分でおこなえるケースについて解説していきます。
自分で相続手続きを始めても良いケース
まず、基本的には、引継ぎを自分で対応するのは難しいです。
しかし、相続人となる方が少なく、時間に余裕がある場合は、対応しても問題はありません。
ただし、先述したように専門的な分野のため、根気がないと途中で挫折してしまう場合があります。
困ったときにサポートしてくれる方もいないので、基本的には専門家への依頼がおすすめです。
専門家に依頼した方が良いケース
資産を引き継ぐ方が多く、遺産の調査にも苦労してしまいそうな場合は、早めに専門家を頼りましょう。
十分な知識とノウハウがあるので、スムーズに手続きを進められます。
また、専門家が間に入ったほうが、親族同士で揉め事になるリスクも低くなります。
とくに、不動産が遺されている場合は、どのように分割すべきなのか悩んでしまう可能性が高いです。
今後の関係を良好に保つためにも、早めに相談しておいたほうが安心です。
まとめ
家の相続の流れとして、まずは遺言書がないか確認しましょう。
遺言書の有無によって、今後の流れや手続き方法が変わるので、チェック必須です。
基本的には、自分でおこなうのではなく、専門的に対応を依頼するのが良いでしょう。