相続の時効とは?期限がある手続きや遺産分割のやり直しについて解説!

相続手続き

相続の時効とは?期限がある手続きや遺産分割のやり直しについて解説!

遺産相続にはさまざまな手続きがあり、状況に応じて対処しなければなりません。
しかし、どのような手続きがあるのか、やり直しは可能かなど詳しいことは実際にやらないとわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、遺産相続の時効や期限のある手続き、やり直しの可否を解説しますので、ぜひ今後の参考にしてみてください。

遺産相続の時効と期限

遺産相続の時効と期限

遺産相続では「時効」と「期限」について押さえておかなければなりません。
両者の意味は異なるので、それぞれ混同しないように注意しましょう。
遺産相続で損をしないためにも、あらかじめ遺産相続の時効と期限を把握しておくことが大切です。

遺産相続における「期限」とは

期限とは、所定の期間内に手続きを完了しなければならない期間を指します。
たとえば、相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。
権利の喪失や取得に関係なく設定されるため、遺産相続の際に混同しないよう、注意するようにしましょう。

遺産相続における「消滅時効」とは

遺産相続における時効として、まず「消滅時効」が挙げられます。
消滅時効とは、一定の期間内に手続きを行わないと権利が失われ、手続きができなくなる期間のことです。
相続において、遺留分侵害額請求は、相続の発生と遺留分侵害の存在を知ってから1年以内に手続きをおこなわないと権利が消滅します。
本来受け取れるはずの遺産を受け取れなくなるため、損をしないように、あらかじめ相続手続きの時効を把握しておくことが重要になります。

遺産相続における「取得時効」とは

遺産相続では、消滅時効以外に取得時効についても押さえておく必要があります。
取得時効とは、一定の期間、権利者として振る舞い続けることによって権利を取得する時効です。
たとえば、他人の土地を20年間、平穏かつ公然と占有し続けると、その土地の権利を取得できるようになります。
善意無過失の場合、期間は10年間となっており、相続時に権利を主張してくる方が現れる可能性もあるでしょう。
相続を控えている方は、取得時効を巡るトラブルが発生する可能性も考慮し、慎重に手続きを進めることが重要になります。

期限のある遺産相続手続きにはどんなものがある?

期限のある遺産相続手続きにはどんなものがある?

手続きのなかには、期限が設定されているものもあります。
それぞれの手続きの期限を把握しておけば、遺産相続で申告を忘れるなどのリスクも抑えられるでしょう。
もらえるはずの遺産がもらえないといったトラブルが起きないためにも、相続後のスケジュールは慎重に計画しておくことをおすすめします。
期限のある遺産手続きは、以下のとおりです。

期限付きの手続き①相続放棄

相続放棄は、遺産相続を放棄する手続きを指します。
この手続きは、引き継ぐ遺産にマイナス財産がある場合におこなわれることが多いですが、現金や預金などのプラス財産も手放す必要があるため、慎重に判断しなければなりません。
また、相続放棄をおこなう際には「期限」にも注意が必要です。
相続放棄の期限は、相続開始を知った日から3か月です。
期限を過ぎてしまうと、相続放棄の手続きができなくなり、遺産は予定どおり相続人に相続されます。
相続放棄を予定している方は、早めに手続きを済ませることが重要です。

期限付きの手続き②相続登記

不動産を相続した場合、相続登記の手続きが必要です。
相続登記とは、被相続人から相続人への不動産名義を変更する手続きです。
この手続きにも期限があり、不動産の相続を知った日から3年以内に申請しなければなりません。
正当な理由なく登記を怠ると、最大10万円の過料が科される可能性があります。

期限付きの手続き③準確定申告

準確定申告とは、被相続人の代わりに相続人が確定申告をおこなうことです。
不動産収入がある場合、準確定申告が必要となる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
準確定申告の期限は、相続開始を知った日から4か月です。
期限を過ぎると、加算税や延滞税が課されるため、忘れずに手続きを完了させることが重要です。
とくに、相続人が複数いる場合、申告書の作成がスムーズに進まないこともあります。
スケジュールに余裕を持つことが、相続手続きで失敗しないためのコツです。

期限付きの手続き④相続回復請求権

遺産相続には、相続回復請求権に期限が設けられています。
相続回復請求権とは、本来の相続人が財産を取り戻すために主張できる権利です。
この権利を主張できるのは、相続権侵害を知った日から5年以内です。
もし、相続権侵害を知らなかった場合は、相続開始から20年以内に主張することができます。
期限を過ぎると権利を主張できなくなり、本来引き継げるはずの遺産が他人に渡ってしまいます。
遺産相続で失敗しないためにも、手続きの期限は忘れずにメモしておくことが重要です。

遺産相続のやり直しは可能か

遺産相続のやり直しは可能か

相続手続きは期限付きのものが多いですが、遺産分割に関してはやり直しが可能です。
以下で、遺産分割のやり直しに関して注意点を見ておきましょう。

遺産分割請求権には時効がない

遺産分割請求権には時効はありません。
すでに決まっている内容でも、基本的にやり直しが可能です。
相続開始後、何年が経過していても、遺産分割協議や調停・審判によって遺産分割方法を決定できます。
やり直しについても、時効は存在しないのが原則です。
そのため、条件を満たしていれば、どのタイミングでも遺産分割のやり直しが可能です。

遺産分割のやり直しができる条件

遺産分割のやり直しを検討している場合、相続人全員が納得していることが重要です。
相続人全員がやり直しに合意すれば、以前の分割方法を破棄し、新たな条件を設定することができます。
遺産分割協議のやり直しが行われる事例としては、相続人全員が遺産分割協議に参加していなかった場合や、遺産分割協議の内容に重大な誤解があった場合などがあります。
また、認知症を患っている高齢者や未成年者など、判断能力のない相続人が単独で協議に参加していた場合でも、遺産分割のやり直しが可能です。

遺産分割のやり直しで時効が適用されるケース

遺産分割のやり直しには、時効が適用される場合があるため、注意が必要です。
とくに注意すべき事例として、錯誤や詐欺、強迫を理由に遺産分割を取り消したい場合が挙げられます。
遺産分割における取消権には時効が存在し、期限を過ぎると権利を主張できなくなるでしょう。
取消権の時効は、遺産分割を取り消せることを知ってから5年以内と定められています。
「騙された」「脅された」「勘違いしていた」と気付いた日から5年以上が経過すると、遺産分割のやり直しを求められなくなりますので、注意が必要です。
また、その事実を知らなかった場合、遺産分割から20年が時効となります。
遺産分割協議から20年が経過すると、やり直しができなくなりますので、協議の内容は慎重に決定することが求められます。
相続人全員が納得できる内容にするためにも、相続時の手続きは早めに済ませておくことが重要です。

まとめ

遺産相続における「期限」と「時効」はそれぞれ意味が異なります。
とくに注意が必要なのは時効で、期限を過ぎると権利を主張できなくなってしまうでしょう。
ただし、遺産分割請求権には時効がなく、一度成立した内容でも相続人全員の合意があれば、遺産分割協議や調停・審判によって分割方法のやり直しができます。


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